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こんにちは、遙です。
先日に続き、ちょっと雑談に近い話題についてです。
現在、世の中を騒がせている接敵技の月影雷獣爪、月影雷獣牙について、様々な修正案がフォーラムに上げられたり、SNS上でこうしてほしいああしてほしいと言われまくっていることでしょう。
前回の記事でも書いたように、個人的には忍者が今後どうなっていくとしてもありのままの忍者を愛し、使っていく所存ではありますが、やはり可能であれば良くなっていってほしいと思っています。
色々な修正案を眺めている中で、「それって本当に忍者にとって良い修正?」と思えるようなものもちょくちょくあるので、今回はそれについての話を出来ればなと思っています。
今回扱う話
月影雷獣爪と月影雷獣牙の修正を求める声の中で、「月影雷獣爪と月影雷獣牙のアビリティ可」という案をそこそこ見かけます。
似たような内容や意見として「接敵技のWSは使いにくい」「接敵技はアビリティでなければ意味がない」と言ったものも散見されるように思えます。
なので、これらの話について、本当にその通りなのかを分析しながらお話していければと思っています。
そもそも接敵技のメリットってなに?
WSかアビリティかに関わらず、一旦接敵技という括りのスキルについて、メリットを明確にしておきたいと思います。
接敵技のメリットって何なのでしょうか。
そもそも接敵技ってどういう時に使いたいですか?
普通に考えたらギミック等でボスから離れた際に、すばやく戻る時に使いたいですね。
何故すばやく戻りたいのでしょうか。
ギミックをミスしていないのであれば、てくてくと歩いてボスに近づいて行ってもギミック的には別に問題ないはずですよね。
FF14というゲームはギミックを処理しながらも火力を出さなければならないゲームです。
近接物理DPS(メレー)やタンクのような近接ジョブは、ボスの近くでなければほとんどの攻撃が届かないため、すばやくボスの近くに戻ることで、攻撃を再開することが出来、DPSの損失を抑えることが出来ます。
つまり、接敵技を使うメリットは、「離れるギミックの後に少しでも火力の損失を抑えられるということ」です。
別の言い方をするのであれば「GCDを少しでも早く回し始めて損失を抑えるためのもの」とも言えます。
接敵技の理想の形
先述の接敵技のメリットを考えた時、少なくとも接敵技としては「GCDのロスを最も抑えられる形」が理想の形と定義出来ると思います。
では、接敵技としては具体的にどういう形になれば「GCDのロスを最も抑えられる形」になるのかについて考えてみます。
実戦で起こり得る例を挙げ、それをもとに説明していきます。
また、ここではすべてのアクションにおいて発生する硬直を0.67秒とし、GCDは風遁込みで2.12秒とします。
WSを発動した瞬間に敵から離れ、AoEが確定して近づいても良くなったタイミングで接敵技で戻るという状況を想定します。
①接敵技がアビリティの場合
接敵技がアビリティの場合、GCDのロスが0になるためには、最後にWSを発動して離れ始めてから、GCDが回り切る0.67秒前までに接敵アビリティを使用する必要があります。
式にすると
2.12-0.67=1.45秒
となります。
要するに、1.45秒ほどはギミックの都合上等でボスから離れてもGCDのロスが発生しないということになります。
ただし、ボスから離れた直後はボスから十分な距離を取れていないため、実際に避けることを想定するのであれば、この1.45秒から最低限ボスから離れなければいけない距離を移動するための時間を引いた時間が、避けるための猶予になります。
例えば、ボスを殴ることが出来るギリギリの距離から、AoEの外まで移動するのに1秒かかる場合は、1.45-1.0=0.45秒しか遊びがないことになります。
離れる前のWSの後に忍術を挟んだ場合には、上の式に忍術分を足すだけなので、例えば雷遁だったら
2.12+2.5-0.67=3.95秒
は離れても良いことになりますし、離れるのに1秒かかる想定だったら遊びは2.95秒ということになりますね。
また、間に忍術を挟むことも出来ず、GCDが止まっていた場合には、AoEが確定してからアビリティを発動し、0.67秒後にGCDが回り始めることになります。
②接敵技がWSの場合
接敵技がWSの場合は、 GCDのロスが0になるためには、最後にWSを発動して離れ始めてから、GCDが回り切るまでの時間そのものが猶予になります。
GCDが2.12秒であれば2.12秒がそのまま猶予になるので、AoEが確定するのが2.12秒未満のタイミングであれば、GCDのロスは発生しないことになります。
アビリティの時と同じ状況を想定し、離れるのに1秒かかる場合には2.12-1.0=1.12秒が遊びになります。
GCDが完全に止まっている状態でAoEが確定した場合でも、接敵技のWSを使用したタイミングからGCDが回り始めるので、アビリティの場合よりも0.67秒ほど早くGCDが回り始めることになります。
①と②から、接敵技という性質のみに着目し、GCDのロスを抑えるという目的について考えた場合にはWSの方が基本的に0.67秒ほど猶予が多く、損失を抑えることが出来ると考えられます。
接敵技の接敵要素以外の部分についても考えてみる
接敵技といっても、接敵要素以外にもスキルであるからには持っている性質があります。
例えば、威力とかリキャスト、スタック式なのかどうかなどです。
接敵という要素のみに着目した場合には実はWSの方がメリットが大きいということは前項で示しました。
他の要素でWSがアビリティに劣るわけではないのであれば、WSの方が優れていると言えるでしょうから、他の要素についても考えていきます。
まず、接敵技…というかここではあえて移動技として考えることにしますが、現在のFF14における移動技の在り方というのはおおよそパターンが決まっています。
①スタック式の接敵アビリティ(タンクの接敵技など)
⇒基本はバーストに合わせて使用するが、ギミック等に合わせて温存しておき、GCDのロスを抑えるために使用する。
②ゲージ消費の接敵アビリティ(侍の暁天、漆黒までの戦士のオンスロートなど)
⇒本来のゲージの使い方より威力の損失が発生しているが、GCDを止めるよりは接敵アビリティとして使用した方がロスが少ない場合に使用する。
③威力がない移動アビリティ(踊り子のアン・アヴァン、忍者の縮地、モンクの抜重歩法、賢者のイカロス、黒魔のエーテリアルステップ、リーパーのヘルズイングレスなど)
⇒スキル回し上問題が無ければいつでも自由に使用する。
④条件付きで使用可能な接敵WS(忍者の月影雷獣爪、月影雷獣牙、戦士のプライマルレンド)
⇒可能ならバーストに使用するが、条件次第では別の場所で使うことも考える。
大体このパターンに当てはまっていると思います。
①のような接敵アビリティは、Lv90時点ではスタック式ではありますが、スタック式になる前の状態では、「リキャストで使用しなければクエスト全体で使用する回数が減り、威力の損失が大きくなるが、リキャストで使用すれば事実上、接敵技としては使用できなくなる」という問題を抱えていたりします。
暗黒騎士はプランジカットが2スタックのスキルになるのがLv78なので、過去のコンテンツではそういうケースが起こりやすいかもしれないですね。
上記のような例は、言い換えれば、接敵技なのに事実上は使用タイミングが限定されており、自由に使うことが出来ないという制約をかけられているということです。
状況こそ違えど、忍者の月影雷獣爪と月影雷獣牙にかけられている制約には近いものがあります。(詳しくは後述します)
現状のレベルキャップではすべてスタック式ですので、上記のような致命的なロスは発生せず、かなり使いやすくなっていると言えます。
②の場合は、接敵が必要な場合に限定して使用すればロスは発生せず、必要に応じて選択することが出来ます。
ですので、使用した方がロスが少ないのか、使用しない方がロスが少ないのかを考える必要はありますが、その選択はプレイヤー側に委ねられているという意味では自由度が高いと言えます。
③は、使ってロスが少なく出来る場合には使用し、使わなくても良い場合には使わなくても損失が発生しないので、ものによっては使い勝手がとても良いものです。
その分、ちょっと癖があるものもありますが、状況を選ぶことが出来るという意味ではこちらも自由度が高いですし、デメリットはないと言えます。
④は、形式としてはロスが発生するものではないです。
例えばWSではあるものの固有のリキャストタイムが存在するようなWS(ガンブレのソニックブレイクやかつての忍者の影牙のようなもの)であれば、使わなければ使用回数が減ってしまうので使わないという選択肢はなくなり、接敵技として扱うことは出来ないという、スタック式ではない接敵アビリティと同じような形にはなっていたかもしれません。
④においてはそのような形式にはなっておらず、あるアクションを基点に実行可バフが付与され、そのバフがある間に好きなタイミングで使うことが出来るという形式になっているため、損失は発生しません。
実際、同じカテゴリである戦士のプライマルレンドは、原初の解放の発動により付与されるプライマルレンド実行可のバフの効果時間30秒の間であれば任意のタイミングで発動することが出来る高威力接敵WSです。
原初の解放の効果時間とは関係なく、クリダイ確定のアクションなので、使うタイミングは限定されておらず、別のWSを使っても効果が消えないので調整が効きやすいです。
また、こちらも例に漏れず効果時間が30秒ですので、猶予もかなり長く、接敵の硬直が悪影響を及ぼさないタイミングで発動することが出来ます。
忍者の月影雷獣爪と月影雷獣牙においても、その発動の形式自体は上記と同じであり、ロスが存在しない接敵WSとして惜しい所まで来ているのではないかと思っています。
実際には、別の近接WSを使うと効果が切れてしまうという性質のせいで、実行可バフの効果時間の間であれば好きなタイミングで使うことが出来るというメリットは全てかき消されている上、効果時間も何故かこれだけ15秒であるため、自由度はほぼゼロに等しく、使いづらさしかないものになっています。
本題に戻りますが、現状のFF14に存在する①~④までの形式はいずれにおいても基本は致命的な損失が発生しない仕組みになっています。(④はプライマルレンドを基準に考えることとします)
まとめ
これまでに述べた理由から、僕は接敵技がWSであるということ自体が悪であるとは思っていません。
月影雷獣爪と月影雷獣牙における悪い要素というのは、WSという点ではなく、「他の近接WSによる実行でバフが消えてしまう為に使うタイミングを調整することが難しく、無視できない威力のために使うことを強要され、ギミック対応力が著しく低下している」という点だと考えています。
前回の記事で記載した僕なりの修正してほしい点というのは、要するに戦士のプライマルレンドのような形式にすれば良いのではないかということを考えたからです。
勿論、戦士のプライマルレンドが完璧な存在であり一切の不満が存在しないというわけではないと思いますが、現状の忍者の月影雷獣爪と月影雷獣牙に比べるとものすごく使いやすいものではあると思います。
実際、オンスロート3スタックとかプライマルレンドの存在により、戦士も結構な回数突進しているはずですが、それが理由でギミックミスをしたり、トッシングウェイと揶揄されるようなことはありません。
月影雷獣爪と月影雷獣牙は接敵WSとして、あと少しでかなり使い勝手が良くなる、惜しい所まで来ていると思っていますし、GCDのロスもWSの方が発生しにくいということは前項で示した通りですので、接敵WSとしての理想的な形に近づいてくれればそれが良いのかなと思います。
現状の月影雷獣爪と月影雷獣牙の悪い要素が目立ちすぎてスルーされがちですが、月影雷獣爪と月影雷獣牙がWSであることで、方向指定を取る回数が全体でも結構な回数減っていたりもするので、そういう点でも良い部分というのはありますね。
もちろん、条件をしっかり考えればアビリティ可でも接敵スキルとして活かすように設計することは可能だと思いますし、そのように調整されても僕は良いと思います。
勘違いしないでいただきたいのは、僕はどうしても月影雷獣爪と月影雷獣牙をWSのままにしてほしいということを願っているわけではないということです。
今回の話の本質は「接敵技として、WSだから悪いとか、アビリティだから良いという認識は正しいのか」という点についてです。
それに対しての結論として「設計の仕方次第では、WSでも使いやすい接敵技、アビリティでも使いづらい接敵技というのは存在しうるし、当然その逆もあり得る」ということを述べたかったのです。
ただ、効率だけを考えた時には一応WSの方がGCDのロスが発生しにくいということは論理的に示した通りです。
現在の忍者の問題点として、月影雷獣爪と月影雷獣牙の使いづらさ以外にも、バースト時に挟むアビリティが少なくなった点を挙げている方もいらっしゃるので、それに対する解決も兼ねた上で、アビリティにするというのもとても良い案だと思います。
(もちろんアビリティ可の際には損失が発生しにくいとか、自由度が下がらない設計にする必要がありますが)
接敵WSにしたって2連続で突進する必要はないんじゃない?という意見もその通りだと思います。
もしプライマルレンドみたいになったら、一応最後の月影雷獣爪のバフを維持しておいて、どこかのタイミングで月影雷獣爪を使って月影雷獣牙実行可を付ける、という使い方をすれば事実上30秒より長い時間接敵技をストックしておけることになり、ギミック対応力を上げる助けになるということも考えられるので、デメリットばかりでもないですけどね。
まあ今そうなっていない以上、妄想の話をしても生産性はないかもしれませんが…。
とにかく、僕は忍者にとって明るい未来になることを祈ってます。
(ジョブの設計についても色々な意見がありますが、火力についてももうちょっと良くなってほしいですね…)
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